労働法的に見ると、内定とは、求人への採用希望者の応募によって雇用契約の申し込みが成立し、会社が内定通知を出すことで、その申し込みが承諾されたと捉えます。内定辞退とは、会社が出した採用の内定通知を、本人が一度承諾したのちに本人の都合で取り消すことです。応募者が内定承諾書を提出すると、その時点で雇用契約が成立しています。つまり、内定辞退は、いったんは成立した雇用契約を履行しなかったことになります。とはいえ、職業選択の自由は憲法第22条で保護されていますので、こちらが優先されます。働きたくない人を無理に働かせることはできません。普通は会社から本人に損害賠償請求がされることはありませんが、ケースバイケースで賠償対象になることもあります。例えば、入社直前に内定辞退した場合、本人のために行った入社前研修の費用や準備した備品の費用などが損害賠償の対象になることがありえます。